カサッ、
紙が擦れるような小さな音が、不意に耳を掠める。
・・・・まさか
顔を上げたときにはもう、私がやっとの思いでラッピングした包みが、中谷の手によって、きれいに解かれていたところだった。
ヒトの話、ちゃんと聞いていたんだろうか。
呆れてものも言えなくなってしまった私を前に、中谷は平然と箱に入ったチョコを一粒、摘まんで取り出した。
矢野くん用に甘くしたんだから、中谷の舌には合わない筈だ。
丸くて小さい、トリュフチョコ。
それを、ゆっくりと、口に運ぶ。
「・・・・・・・あま、」
そう呟いて、眉間にシワを寄せる。
やっぱり、第一声から文句ですか。
そりゃ、そもそもこれはチョコなんだから甘いに決まってる。
けど、もっと他に感想はないのか。
・・・あーあ、矢野くんならもっと、美味しそうに食べてくれたんだろうか。
矢野くん、なら・・・・

