始まりのチョコレート





矢野くんといると、なんだかすごく、くすぐったい気持ちになる。
柄にもなくときめいている自分が、恥ずかしい。

熱くなる顔を押さえて、私はただ、頷くことしかできなかった。

こんなにすぐ赤面したりして、恋愛経験が少ないこと、ばればれじゃないか。


顔が見えないように、キャップを深くかぶり直して、じゃあ、と彼から離れる。
もう、すでに心臓がもたない。

こんなことで、チョコなんか渡せるんだろうか。

でも、矢野くん、楽しみにしてるって言ってくれたし、大丈夫、だよね・・・?