「あの、さ・・・矢野くん、今日バイト終わり、ちょっと話があるんだけど・・・」 「話、ですか?いいですよ、待ってます」 私の顔を覗き込んだまま、また、人懐っこい小型犬のように彼は笑った。 むくむくと、勘違いが膨らんでいく。 現実を知って、折角、諦められたと思ったのに。 また、ほんの一握りのその可能性に、かけてみたいとか、思ってしまった。 「たのしみにしてますね?宮内さん」 私だけに聞こえる声で呟く。 まるで全て、見透かしてるかのような声で。