そして苦痛だった授業は終わり、瞬くんはさっさと机をもとあった場所に戻して行った。





…私、やっぱり嫌われてるのかな?




不安に駆られているとき、先生に呼び出しをくらっていた奈々が私のもとへやって来た。





「美佳~~っ!疲れたぁ…先生が怖かった…」






授業が終わる直前、奈々は先生にに呼び出されていた。





「何言われたの??」




「えっと…授業は真面目に聞くことと、クラスの女子に対してもっと優しく接しなさいって!」





「奈々は授業中もうるさすぎるもんね?」




「そんなことないしッ!!んで、さっき、クラスの雰囲気が悪かったのは奈々のせいでしょ?って言われて、瞬くんとかの説明をしたらこっぴどく怒られた…」





…そんなことあるよ。



まぁ、奈々は、理不尽に人を怒鳴りつけるからね…。




先生もよく奈々のせいって気づいたよね?




良い先生だ。





「もー、この話はお終いッ!次は体育だよ?」





そして、奈々の切り替えは本当に早いっ。




空気が読めない子だからね…。






「そーだねっ!行こうか!」




私も、瞬くんの事を考えることはやめて、気楽にしようと奈々のテンションに合わせる。




そういって、勢いよく立ち上がった。




………。




立ち上がったが…。





クラクラする…。





頭が痛い、目が回る。





あまりにも突然に頭痛などが私を襲ったので、とっさに椅子に倒れこむようにして座る。





ちょっとヤバイかも…。




「え!?ちょ、美佳!?どうしたの?」





「奈々…今日は、体育とか無理かも…」




喋るだけで頭に響く。





「え?嘘?体調悪くなったの?大丈夫?」





奈々は心配してくれてるようだけど、次は体育で運動場へ行かなければならないので迷惑はかけられない。






「ん…多分寝不足??保健室で休むから、奈々は先に運動場へ行ってて?」




寝不足って言ってもいつも通りに寝たはずなのに…。




頭が…。



割れそう。




喋ると頭に響くし、喋りかけられても頭に響く。






「…ひとりで行ける?奈々も保健室、ついていくよ?」



とにかく、今は一人になりたい。




静かにしてほしい……。





「…大丈夫だよ。奈々は体育頑張ってね?」





「うん…気を付けてね?お大事にね?」





奈々はそう言って、心配そうに教室の外へと行った。




まぁ、奈々は良い子なんだけど…今日だけは勘弁。






隣の席をふと見ると…瞬くんはもういなかった。




運動場へ誰かと向かったのかな?




心に何かが引っかかっているが、全て頭の痛みで何も考えられなくなる。






…これは本格的にヤバイな。





うずく頭を押さえ保健室へと、誰もいない教室を出てゆっくり向かった。