「─────待っ…」
待って、と言おうとしたが、そこで誰かに腕を捕まれた。
「夏音、そろそろ朝食の時間だぞ。」
「先輩…!」
「…向こうも浮気してるってことは、別れたんだ?」
「俺は先輩と浮気なんてしてません…!!」
ハァッ、ハァ…ハ、フゥッ─────…
俺はとっさに発作の薬を飲んだ。
「ハハッ、アイツのせいで夏音が苦しんでるなんて、笑える。
…さっさと俺を好きになれよ。」
ゾクッ
先輩の目が、一瞬光を失った。
その目は闇より深く、まるでなにもかもを飲み込んでしまいそうな黒だった。
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