[125号室 坂口陽子] そう書かれた札を見て、ドアを開けた。 予想外だった。 お母さんは元気そうにご飯を食べていた。 「あら、華!来てくれたのね。」 いつものやさしい声で母が問いかける。 「お母さん!大丈夫なの?」 私は強ばった顔をしてるのになぜかお母さんは笑顔。 「軽い貧血よ。なのに店長ったら…」 重い病気だと勘違いしていたから、 それを聞いてほっとした。