「沙弥!ばいばーい♪」

『ばいばーい♪』

下校のときだ。教室をでて、靴を履き替え

学校を出た。

しばらくすると見知らぬ番号から電話がかかってきた。

電話に出ると

「○○病院のものです。坂口 華さんですか?」

はいと返事すると、

次々と言葉が並べられた。

病院 という言葉を聞いた時点で検討はついた。

母が倒れ、救急車で運ばれたのだ。

私は並べられた言葉を飲み込むことが出来ずに、

ただ母を目指して走り去っていった。