哲也は沖田を見上げる。

ーそんな捨て犬の様な目で見られては…ー

沖田は哲也の学校行きを観念し座り直した。



「さて、哲くん。私に何をしてほしいのです?」

「い、いや、何かしてくれとかじゃなくてよぉ……」

「何もないなら何故私を訪ねるのです?」



哲也は頭をグシャッと掻き毟った。



「だよなぁ。分かってんだよ、うん」



一人、納得したかの様な哲也に沖田は首を傾げる。



「あのよ!俺、チョコあげよーと思うんだ!」


哲也はガバッと沖田に向かい身を乗り出す。

その勢いに思わず身をそらせ、思いもしなかった哲也の発言に沖田は目を丸くした。