「………総司てめぇ、そんな冗談ばっか言ってっとタダじゃおかねえぞ。俺もやることがあるんだ、暇じゃねぇ。」




「何か勘違いしてる様だから言っておくけど、僕はその総司って人じゃない。それにこれは冗談なんかじゃない、銃刀法違反。わかるでしょ?」



「銃刀法…違反?それじゃあ……お前は誰…なんだ?」



「そう、法律第6号銃砲刀剣類所持等取締法。銃または刃物を許可ない者が所持していた場合5年以下の懲役、100万円以下の罰金。僕?僕は矢武総一、巡回中のただの警官だよ。」



「警察…?馬鹿言ってんじゃねえんなの俺も警察だ、銃刀法違反だかなんだか知らねえがそんなん誰が決めた!」




だんだん怖くなってくる



此処は俺が知っている江戸ではないのか



なら此処はどこだ



何故俺はこんな所にいるんだ



不思議な感覚に囚われる



こんな所で油売ってる場合じゃねぇんだ



屯所に戻ってしなきゃいけねぇ事がいっぱいある




すると奴は絶望的な言葉を吐きやがったんだ、






「え?知らないの?1958年に施行されたんだよ。……君、いつの時代の人?もしかして過去からやって来ちゃったんじゃないの?」





「過去…から?んなわけあるか!じゃあ一体今は何年なんだ!」



「今?今は2010年、平成22年だよ。」




「ヘイセイ…だと?」



ヘイセイ……


まるで聞いたことのない年号だ



俺は未来にやってきたというのか



200年以上も後の世界に………








この時は何の冗談かと思った



また総司の悪巧みに違いねぇと思った。






今でも思う



あの日々は夢だったんじゃないかって