ガタっと席から立ち上がると私は葉の横を通って店から出た。
後ろからは
「ちょ……陽菜!」
という葉の声が聞こえたけど、聞こえないフリをした
「ハァハァ」
ずいぶん走って気づいたら知らない場所まで来ていた
後ろからグイッと腕を引っ張られて脚がやっと止まる
「ちょっ………お前待てって」
追いかけてきたのは、
「………純也………」
葉……ではなくて、純也だった
「ふ……露骨にガッカリしたような顔すんなよ」
「だってぇ………」
少しでも、葉が追いかけて来てくれるんじゃないかと期待してた自分がバカらしく思えてきた
純也は笑って
「ほら、俺しかいないから。好きなだけ泣けよ」
そう言ってあたしを抱き寄せた
「ゔ………うぅ…………うわぁーーん」
それからあたしはバカみたいに純也の胸で泣いた
ポンポンと子供をあやすように頭を撫でてくれる純也の手がとても心地よくて安心した
