あの夏の日も、俺は自分の都合を優先させた。

面倒が嫌で、亜里寿の悩みを聞くのを渋ったんだ。


俺だってなんとか上手く切り抜けてきたんだ、亜里寿にだって出来ない筈はない。

異国の血が混じった特殊な見た目の為に味わう疎外感や妬み。

それだって考え方次第じゃ強みにだってなるわけで。

自分の基準を単純に亜里寿に当てはめて、自分の都合の良い様に考えようとしたんだ。


それが、頭が良いから、で済まされるなんて考え違いも良いとこだ。

むしろなじられた方がすっきりする。


俺は只の最低男なんだから。