それに対して俺は、物事を単純に考えたがる面倒くさがりな性格だ。
だから、あのまま法律家になるべく勉強を続けたとしても、きっとどこかで行き詰っていたに違いない。
ほんと、これ正直な話。
好きか嫌いか。
面倒か面倒じゃないか。
良いか悪いか。
俺自身は即決で判断が下せる厄介ごとに、ダラダラと悩んで決断を後回しにする気がしれない。
坂田は俺のそんな性格を、「お前は頭が良すぎるからな」とわかったようにスルーする。
お前に言われたくない、お前に。
上級公務員試験を一発でクリアして、警察の官僚に納まったお前には言われる筋合いはない。
と単純な俺は素直に思うわけですよ。



