美亜は美しい。

少し日本人離れした目鼻立ち。

初めて彼女の顔を正面から見た時、俺はその大きな黒目勝ちな瞳に吸い込まれそうになった。

大袈裟じゃなく、ホントの話。

面影が亜里寿に似ている、と後から思ったのは、多分その控えめな気質のせいだ。

伏し目がちな表情も、小さく頷いて、なんでも俺の意見に合わせようとするところも。

亜里寿がそうだったように、美亜も、きっと自分の美しさになど全く関心が無いのだと思う。

むしろ邪魔だとさえ思っているに違いない。

声を失った美亜は、更に内に篭って自分を全く表に出さなくなった。

好きも嫌いも、良いも悪いも、全て言われるがまま、従うだけ。

困ったように眉を寄せる仕草と、ちょっと驚いた目の動き。

そんな微かな表情の変化から、俺は美亜の心の内を探る。