「おい、生きてんのか?!」 そう言って身体を思い切り揺さぶられた。 あれ、まだ生きてる、そう思ったらがっかりした。 「死ぬぞ、馬鹿!」 耳元で怒鳴られて耳を塞いだ。 地獄に落ちた方がまだましだ。 「歩けないなら負ぶってやる。掴まれ」 向けられた背中に無我夢中でしがみ付いた。 温かい。 それだけで涙が溢れた。 自分がそれでもまだ居場所を求めていることが不思議だった。