男なら自分の行動に責任をもて、と弘幸は太一に言った。
そして上手く立ち回れ、と。
「沙希に会いにここへ来るのは構わない。
だが、きちんと親に行先を告げ許可を貰うこと。
それがお前の意志を親に納得させる第一歩だ。
許可されないなら、その理由を正せ。
許可されるまで粘れ。
それが意志を通すということだ。
大人ってのはな、お前が思うより理屈で生きてる訳じゃねぇんだ。
お前と同じように感情が先走って道を誤ることもある。
感情に感情をぶつけても事態は悪化するばっかりだ。
冷静さを失わず意志を貫き通すことが、お前が一歩優位に立つことに繋がるんだ」
わかるな、と諭す弘幸の言葉に太一は大きく頷いた。



