「繭ちゃん、これは拓磨じゃないよ。」

拓磨は死んでない。

生きてたもん。

他の病室で元気にしてるもん。

私の大好きな笑顔で

『絢音!』

って腕をひろげてよんでくれるもん。

「繭ちゃん、拓磨は?どこ?」

「拓磨は…もういないの。」

「そんなの嘘だよ!」

「もう死んじゃったの…」

「嘘だよ!嘘だ!拓磨のいない世界なんて死んだほうがマシだよ!」

拓磨がいたから全部が輝いてた。
拓磨がいたから学校が楽しかった。
拓磨がいたから…

全部拓磨だよ…