「拓磨っ!」
「絢音ちゃん…」

私の名前を呼んだのは拓磨ではなく
拓磨のお母さんの繭ちゃんだった。

「繭ちゃん…拓磨は?」

「拓磨は…さっき…」

私は次の言葉を聞かなくても
繭ちゃんが何を言いたいのかわかった。

私はその場に崩れ落ちた。
何がなんだかわからなくて
さっきまで拓磨と歩いてたのが
夢だと思って
現実じゃないって思って
涙すらでてこなかった。