ポケットには妖精

「遅かったね。今、お母さんと話をしていたのだけど、先生とお母さんの進める大学は、ちょっとレベルが高いけど……」
増田先生が有名どころの大学のパンフレットを差し出し、お母さんもうんうんとうなずいている。

でも

先生ごめんね!

「調理師になりたいんです」

はっきりと言った。

いや

言えた。

どんな嵐が来るかと思ったら
ふたりともノーリアクションである

え?あら?どうしたの?

ふたりの大人は
目を白黒とさせてから

「ちょ、ちょっと、ちょっと考えろ城田!学校がお前にどんなに期待してるか……じゃなくて!それは一時的な気の迷いであって、お前の頭なら、どこでも入れるんだぞ!どんな可能性も選択兼もあるんだぞ!」

「春菜?どうしたの?家の事はいいのよ。お金の事はいいから、歯医者でも医者でも、性格的には理学療法士も似合うと思うのよお母さんは。法律も勉強したいって言ってたよね」

すごい顔してマシンガントークが止まらない。

期待してたのはわかるけど

でも

ごめん。決めたんだ。