ポケットには妖精


強い風に負け
身体が飛ばされる。
あぁ何て弱い文系の私。もっと鍛えなきゃダメだわ。

「城田!」って焦る声が耳元で聞こえ、肩をグッと抱かれて、それから背中で『痛っ』って声が聞こえて。

突風はまた窓の外に戻って行った。

ひどかった。

ザワザワとまだ教室中がどよめいている。
机も椅子もぐちゃぐちゃ。
成沢君が片岡さんの肩を抱いて密着。
あれ?
あっちでは山中さんが久保田君の背中にくっついてる。

いやー
全然知らない事が見えるね。
そんな仲だったのか。

ハプニングの中だけど
そんな様子をうなずいて見ていると、みんなの視線がなぜか私に集中していた。

何?

「大丈夫か?」

背中に聞こえる
菅原君の声。

菅原君は教室の扉側のロッカーに叩きつけられた形で、私を背中から抱いていた。

守ってくれたんだ。

クルリと振り向くと
顔が急接近。

緊張してまた顔を戻し、急いで離れる。

菅原君がいなかったら
私はロッカーとガッツリ接触してケガしてたかも。

「すっ菅原君は?」

「いや大丈夫。ちょっと痛かったけど」

え?痛かった?