ポケットには妖精


「春菜ちゃんおはよう」
由実ちゃんに声かけられて、私も「おはよう」って挨拶。

すると
そこへ片岡さんが登場。

肩で風を切り
ツカツカと私に向かって顔を向け

「おはよう」って言ってくれた。

ビビる由実ちゃんは一歩引いたけど、私は笑顔で「おはよう」って返事をする。

片岡さんは照れたように席に着き、成沢君が片岡さんの頭を撫でて『えらかったねー』って笑ってる。

一歩踏み出すと
世界は変わる。

由実ちゃんとエヘへと顔を合わせ、このままクミンが大人しく寝ていてくれたらいいなーって、本気で考える。


けど
世の中そんなに甘くない。

「タイクツー。どっか行きたい。ここから出たいー」
授業中
ポケットの中で大騒ぎ。

「春菜っち、コンビニ行ってパン買って来よう」

授業中なんですけど。

「ダメっ!」

「ケチっ!いいもん。好きに遊ぶもん」

ってクミンが言った瞬間。

窓が開き
突風が吹いた。

教室中パニックになるくらいの突風で、みんなの教科書やノートが宙に舞う。
叫び声のような悲鳴が漂う中
窓際の私は立ち上がる暇もなく、身体がずーっと反対側に持って行かれて、クルクルと回る。

景色も回る。
風が教室中を駆け抜ける。

机も椅子もぐちゃぐちゃ。

クミンか?
クミンの力なの?これって。