インドのサリーを着て泣いてる姿は、自分でも悲しすぎる。

「乙女じゃん」
クミンは私を見て笑っているし。

本当に悔しい。
色んな意味で泣けてくる。

そしてクミンは
有南さんから買ってもらったヘアワックスの蓋を開ける。

あぁ
先に私が開けるはずだったのに!

「青リンゴの香りがするー」
騒ぐクミン。

私にも嗅がせてっ!

ジタバタしていると
携帯の着メロが鳴っていた。

オルゴールの癒し系の曲を着メロにしていたはずなのに、いつの間にかキスマイに変わっていた。

そこまで手を加えるか!

「メールだよー。片岡さんだわー」
スマホを片手で操作しながらクミンが言う。

え?片岡さん?何?
今日あれだけ激怒させたから、逆襲メール?

いや怖い!どうしよう。
小さく丸くなり
天使のストラップに祈りを捧げる。

「見るよー」

「いや。ちょっと待って!」
机の上で飛び跳ねるしかない私。

「開けちゃったー」

クミンーーー!
机の上ギリギリラインでクミンに叫ぶと

「【ごめんね】だってー」

静かな声に『えっ?』としか言えなかった。