ぼんやりしながら家に帰る。

「なんかさー疲れたねー」

お前が言うかクミン!
こっちが疲れるわ。

「春菜っち、落ち込んでる?」
玄関に入ってクミンに言われた。

「別に……」

「菅原君の事でしょー。有南さんがいい人で、菅原君とお似合いでまたウジウジしてんでしょー。いやだいやだ。好きなら奪えよー!」

「違うって!」
ポケットの妖精と言い争っていると、家の中からバタバタと妹の早紀が走って玄関までやってくる。

そして目を見開いて
「いやぁ!ちょっと!マジ切ってるし」
テンション高い。

「ズルいズルい。私も菅原さんに切ってもらいたいー!お姉ちゃんだけズルいー」

ズルいって言われても
どーゆー経過で切られたか、わかってるのかな妹よ。
片岡さんに殺されると思ったんだからね。

「何で知ってるの?」
早耳だなぁ。

「Line」

現代文明の機器は怖い。

「いきなり菅原さんが、お姉ちゃんの髪を気まぐれで切ったんでしょう」
私より興奮している。

情報伝達のミスがどこかにあったらしい。
まぁいいでしょう。
その情報でいいです。

「あとさー、帰りに片岡さんに偶然会ったんだ」

何ですと?