ポケットには妖精

「そーいえばさぁ城田、最近あのストラップつけてないよね」

校庭を抜け
一年生の女の子に『きゃー有南さんだー』って憧れの声をかけられながらも、私達は並んで歩く。

綺麗な人気ある人と歩くって、くすぐったくて誇らしくなる。

「あのストラップって?」

「天使のビーズの。ストラップだけどカバンにつけてたじゃん」

あぁ
例のお気に入りのストラップ。

お気に入りだったストラップね。もはや過去系。

壊れて
成沢君が直してくれたストラップ。
そこで恋心が生まれたけれど、今日その恋は消えたから、家に帰ったらソッコー捨てようと決意していた品物。

「あれ、直すの大変だったんだから、ちゃんとつけてよね」
有南さんは口を尖らす。
ん?なんか違うぞ。

「だって、あれは成沢君が」

「えーなんで成沢が出てくる?あれは私と拓真が教室で拾ったんだよ。ちょっと触ったらバラバラって散らばって大変だった。拓真と目を皿のようにして時間かけて拾ったんだから」

「うそ」
私が驚いて足を止めると、有南さんはもっと驚く。

「その後、拓真の部屋で一生懸命直したんだけど、前の形を忘れちゃって、ちょっと形が違ったでしょう。ごめんね」
衝撃なる事実。

「知らなかった。だって成沢君が渡してくれたから、てっきり成沢君が直してくれたと思ってた」
普通そうだよね。

「拓真が悪いね。拓真が成沢に渡しておいてって頼んだんだ」

「私、カン違いしてたかも」

菅原君が?直してくれたの?