「そのうち捨てるだと?」
私をジッと見上げ、邪悪にクミンは笑う

「やってごらん。次の日アンタの身体をバラバラにして、生ゴミの上にばらまいてやる」

って高笑い。

怖い
人の心が読めるんだった。

怖すぎる。
目に涙を浮かべていると
部屋にノックの音が聞こえた。

「はい」
返事をすると

叔父さんが部屋に入る。

「ごめん。叔父さんさ、久しぶりの日本だから行く所いっぱいあるから帰るね」
頭を下げながら私に言う。

「おっ……叔父さん。あっあの……」
脳内をグルグル回し
邪悪な妖精にバレないよう
上手く叔父さんに人形が動いた事を知らせようと思ったけど

上手くいかず

「頑張れよ。春菜は要領が悪いかもしれないけど、可能性を沢山持ってるんだから、たまには人に遠慮せず自分の意見を言いなさい」

と、私の頭を撫でて

部屋を出てしまった。


あぁ叔父さん

最後の砦。

「ばーいばーぃ」

歌うようなクミンの声が

背中で響く。