ポケットには妖精


一瞬だけ

ほんの一瞬だけ目が合った。

お互い目をそらすことなく
笑いもせず
話しもせず

ただ
黙って見つめ合う。

時間にすると
ほんの3秒ほど
まばたきを一回余裕でするぐらいの時間。

だけど
その時間は
私にとっては永遠と思えるくらいの時間であり

ずっと

ずっと

この時間が続いて欲しかった。

菅原君の指が私の頬に触れた。

ゆっくりと静かに
ガラス細工でも扱うように、丁寧にゆっくり触れる。

その指先は冷たく
なめらかで心地よい。

頬の温度が一度下がる。

菅原君は
いつもの怒ったような、冷めたような怖い顔じゃなくて、優しく澄んだ目をしていた。


ほら

恋に落ちるのは

なんて簡単なんでしょう。