ポケットには妖精


髪の毛なんてすぐ伸びる。

変な髪も見慣れるし。
外に行くには帽子もあるし。

寒いのは困るけど。

昔から変な所で、度胸があるとは言われていた。

今の状況は片岡さんだ。

皆に注目され
引くに引けない状況で
半分バッサリ切ってしまい

もう、自分でどうしていいのかわからないのだろう。

その切れないハサミで
私の首だけは刺さないでよ。祈るしかないわ。

クミンを見ると
肩をすくめて目線を外していた。

おのれーーー!
その態度腹立つわ!!

もう早くやってちょうだいって、下を向いていると

「代わって」って低い声が聞こえた。

菅原君がポケットから自分の愛用のハサミを出し、強張る片岡さんの肩をつかんで有南さんに渡す。

そして
菅原君は私の耳でそっと囁く。

「絶対可愛くしてやるから、心配すんな」

私だけに聞こえる声でそう言って

静かに
ハサミを動かし始めた。