悪夢の始まりである。

変なマスコット人形には【クミン】という名前があるらしい。

カレーのスパイスと一緒だ。
変な名前。
吹き出しそうになってると
何を勘違いしてるのか、尊敬の笑顔と思ったらしい

「正式名はもっと長いのよ。私はあっちじゃ神の下にエライ妖精なんだから」と、小さな身体を反らして威張る。

正式名を聞いたけど
ゲームの名前のようなイメージ。

尊敬とは
ほど遠いかも。
でも逆らったら怖そうなので
ひたすらうなずく。

クミンは小さくても
迫力があるから
本気で呪われそう。

「ワタシの事を他の人に言っても絶対信じないから。アンタの気が変になったと思われるよ」

たしかに。

「人には言わない事」

言えません。
言っても信じてもらえません。
ひたすらうなずく私。

「まぁ、そーゆー事になったからー。面倒見てあげるから。楽しくやろう」
小さいのに上から目線。

楽しくって
いや
絶対無理です。

「何か質問ある?」
ふでぶでしく言われたので

気になった事をひとつ

「あの、クミンさんはどんな力を持っているのでしょうか」
神の下の妖精って
言われてもよくわからない。

いや
妖精も初めてだし。

妖精には見えないけど。

ジッと見てると

「えー超くだらなーい。そんなのそのうちわかるから」
嫌な顔でそう答えた。

自分から質問しろって言ったくせに!
そのうち捨ててやる!