「バカみたい」

しゃべった
しゃべったしゃべった

不気味な人形がしゃべった。
立ち上がって私を見ている。

「ひっ!」
喉の奥から空気が漏れる
本当に怖い時は叫び声も出て来ない事を知る。
イスから思いきり落ちて腰を抜かしてしまった。

「何を驚いてんのよ」

間違いない
間違いない絶対間違いない。
私が疲れてるとか
気のせいとかそんなじゃない。
可愛くない人形がしゃべってる。

「『可愛くない』言うな。呪うぞ!」
口も悪い
性格も絶対悪い。

「失礼なヤツ。あんたの心の声は全部聞こえてるんだよ。あたしにはお見通し」

何だこれ
どんな悪夢なの?

「それよりはるばる遠いとこから来てやってんのに、そのリアクションは無いんじゃない?」
ニタニタ笑ってる
小さな身体でニタニタ笑ってる

いやだー怖い。邪悪さ全開。

叔父さんには悪いけど
捨てよう
こっそり捨てさせてもらおう。

そう思ってると

「あんた。私を捨てたら一生呪ってやるからね」
ケケケと笑って人形の首が一回転。

悪霊降臨!!!