雑誌に夢中なクミンに愛想をつかし
私はシルバニアのベッドに戻る。

マット硬いかな
コットン一枚入れようかな……って、いつまでここで寝る気だ私。

大きなため息をつき
今日一日を考える。

片岡さんとのバトル
有南さんとの会話

そして
憧れの成沢君に「かわいい」って言われた。

ずっとずっと
憧れていた成沢君。
ただ
こっそりと見つめるだけだった成沢君。

その彼に

かわいいって言われたのに……なぜか淡々としている自分がいる。

もっと喜んでいいのに

確かに嬉しかった
とっても嬉しかったんだけど。

思い出すのは
菅原君のコロンの香り。

コロンというより
高級ヘアサロンの香り。甘くてちょっと懐かしいような香り。
広い胸元が目の前にあってビックリした。

緊張した。嬉しかった。

え?いや嬉しかったらいけないよね。
菅原君は私とは別世界の人だもん。
お似合いの有南さんがいるもん。

私なんて無理。

あれ
なんだか胸が切なく苦しくなってきた。