早紀はクミンの手を乱暴に振り切り、バタバタと顔を伏せて二階へと上がる。

「手伝わないってーアタシも無理だからー」
クミンはそう言い
また鏡に向かって眉毛の手入れ。

「……そう」
お母さんは不思議そうな顔をして、買い物袋からひき肉を取り出していた。


それから

無言の夕食が終わる。
お母さんだけ無駄に話を盛り上げようとしていたけれど、クミンも早紀も黙ったまま。

クミンはご飯のおかわりをして、さっさとお風呂に入ってそれから腹筋。

「鍛え方が足りないよなー」
私のお腹を叩きながら
一生懸命腹筋をしていた。

「あのー」
恐る恐る
シルバニアのあらいぐまのお父さんの後ろから声をかける私。

「いいかげん、戻して下さい」
涙目になってしまう。
戻してくれるのなら
なんでもします私。

「また一日ジャン」

「その一日で、どんなにやらかしてくれたと思ってるのよ。明日こそ部活行ってよね」
今日はしっかりサボってしまった。

小さな身体で飛ぶしかない私。

悲しいわ。

すると

トントンって部屋に聞こえるノックの音。

「ういー」
クミンが返事をすると

そこには早紀が立っていた。