クミンもボーっと菅原君を見送っていたら

「拓真。どこに行ってたのよ」
甘えた声が降りかかる

有南さんだった。

ダラダラと歩く菅原君に
楽しそうにまとわりつき、有南さんが話しかけていた。


お似合いのふたり。

「よっしゃ!燃えてキター」

クミンはそう言い
靴を履き替え猛ダッシュ!

燃えてきたって

何を考えてるの?

やめてーー!



クミンが真っ直ぐ向かった先は
思ったとーりの雑貨屋さん。

そこの美容コーナー。

小さいカゴを持って
真剣な顔で買いまくる。

毛抜き・眉カットハサミ・小鼻ツルツルパック・ビューラー・アイライン・アイブロウ・お手軽眉毛書きシート(眉毛こだわりすぎ)・パウダー・色付リップ……カゴが山のようになっていた。

買いすぎです。

自分じゃ絶対買わない品物が、ゴロゴロと腕の中で集まる。

ちょうど
5000円也

「アタシ買い物じょうず」

インドの妖精。自画自賛。