ポケットには妖精


有南さんは
可愛い系の片岡さんとまた違ったタイプで、正統派美人。

華やかで色気があって
一歩引いてしまうような整った顔をしている。

高校の入学式で初めて有南さんの顔を見て、こんな綺麗な顔の人もいるんだなーって見惚れてた私。

同じクラスになったけど
別世界だし
まともに話もしたこともない。

【シザー】トップの菅原君の隣にいる事が多くて、背の高い美形の2人はとってもお似合い。

そんな有南さんが
私をかばってくれている

ジーン
感動してしまう。

ポケットの中で感動する自分がむなしい。

「城田の勝ちー!だけど、眉毛がボサボサだから、引き分けかなぁ」
ゆったりとした有南さんの追加の言葉で、教室の中に笑いが起こり、緊迫したムードが和らぐ。

「由実ちゃん鏡!」
クミンは由実ちゃんに叫ぶと、由実ちゃんは慌てて鏡を自分のポケットから出し、クミンに渡す。

クミンは鏡を見て
「うえっ」と一言。

「可愛くしても、詰めが甘い」
そんなとどめの一言を有南さんが言い、片岡さんの機嫌も治ったようだ。

ポケットの中でホッとしていると

「何よこの眉毛!大失敗。チェック忘れた」
クミンが私にドスを効かせてそう言った。

「いや……それなりに、手入れはしてるんだけど……」
返事をすると

「いやサイテー。城田春菜サイテー」

ひどいわ。
私の顔なのに……。