しばらくすると
下から色んな声が聞こえてきた。

ジッと耳を澄ますと

「春菜?あら?カーテン開けてないの?ご飯も混ぜてないし、コーヒーは?洗濯機のスイッチもまだだった?」
お母さんのうろたえた声。

「春菜、お父さんのお弁当は?」
お父さんの心配そうな声。

「ちょっとお姉ちゃん!早く洗面所から出てよ。時間かけすぎ。そして私と彼氏のお弁当はどうなってんのよ!」
妹の怒った声。

全てを無視して
クミンはマイペースにドライヤーをかけているようだ。

あーあ
早く元に戻してよ。

え?もしかして
このまま?

このまま学校へ行くの?

ふと背筋が寒くなり
横にいるアライグマファミリーのお母さんと顔を見合わせる。

ずっとこのままだったら
ここに住んでいいですか?

って、いやそれは困る!

クミン!!!!!