何?何これ?
何の冗談?夢?夢なら早く覚めてちょうだい。
どんな悪夢?

自分の身体をつねっても叩いても、状況は変わらない。
小さな私はシルバニアファミリーの一員になっていた。

「ちょっと!これってどーなってんのよ」
小さな身体をピョンピョンと跳ねらせ、クミンに叫ぶ。

「春菜っちうるさいー。まだ早いじゃん。もう少し寝るから」
起き上がった身体をモソモソとまたベッドに戻してる。

「早く元に戻して。お弁当!お弁当4つ作らなきゃ」
怒られちゃう。時間ないよ。

「うっさいなぁ。私料理嫌いだしー。今日のお昼はパン」
布団をかぶって声を出す。

「私とお父さんの分はいいとして、早紀と早紀の彼氏の分は作って」

「いやマジウザい」
どんなに私が叫んでも
クミンはこの調子で人の話を全然聞いてくれない。

ちょっと
いい加減にしてよ!ああん泣きたい。

「早く戻してったら」
朝から喉が張り裂けるくらいの叫び声を上げると、クミンは……って、私だけれど、最高にめんどくさい表情をしてベッドから起きて私に向かってくる。

自分の顔ながら迫力あるわ。

「アンタ、アタシにどんな能力持ってるか聞いたよね」
そう言われてうなずくと

「こーゆー能力だもん」
笑ってパジャマのまま階段を下りて行く。

「私も連れて行ってよ」
叫ぶけど

「い・や・だ」
楽しそうに返事して階段を下りて行く。

あぁ……どうなるの。