ポケットには妖精

「あのさぁ」
クミンが話を続ける。

「どこがいいの?」
真剣なる声に
私は心の中で思い出すように噛みしめながら、大切な話を始める。

私には
大切にしていたストラップがあったの。

ちょっと大きめのビーズで出来ていた、
水色の天使の形のストラップ。
顔はパールで天然石も混ざっていて
天使の輪まで付いてるんだよ。
スワロスキーの十字架を持っている天使のストラップ。

大切にしていたけど
糸が弱っていたのか
気が付けばバッグから外れて落していて

すんごく
すんごく落ち込んでいて

何日か過ぎてから成沢君が

「はい」って渡してくれたの

「城田の?」って渡してくれて
それもビーズが微妙にズレているの
きっと落した時に
糸が切れてバラバラになったのを成沢君が一生懸命直して渡してくれたと思ったら、きゅんとなってしまって、もうそれだけで嬉しくて嬉しくて。

気持ちがいっぱいになってしまった。

「単純」

あきれたように言われたけど

恋って単純なものだよね。