ポケットには妖精

私もあのくらい綺麗で
自分に自信があるのなら
きっと
堂々と成沢君と話もできるはず。

ジッと見てると

きゃ!片岡さんと目が合った。

「何、城田?なんか用?」
綺麗な顔には似合わない
きつい声。

「い……いえ、その何でもないです」
尻つぼみに声が小さくなって
身体も小さくなってしまう。

すると
「話ある?一緒に会話する?」
成沢君が私を見てそう言った。

え?まじめに?
今日は朝から奇跡がいっぱい。
感動してぼーっとしてると

「頭の固い城田が、うちらの話に合うわけないじゃん」
片岡さんが笑いだす。

そうかもしれないけど

なんというのか
学校の話でも
天気の話でも
いや……その、成沢君の傍にいるだけで
声を聞いているだけで
幸せなんだけど

そんな気持ちを伝えようとすると

「だよなー。悪かった」
成沢君は軽く言い
私を無視して
また片岡さんと話し出す。

私は苦笑いをして
意味もなく
カバンの中を整理する。

「どんまい」
クミンの声が遠く聞こえた。


うん
気にしないよ
いつもの事だもん。

気持ちを切り替えよう。