ポケットには妖精

音もなくこちらに来たのは
私が一番クラスで怖れる
菅原 拓真。

すぐ隣に立ってる
怖い怖い怖い。

菅原君は無言でコスモスを花瓶から抜き取った。

え?なんてことを!
泣きそうになってると
手早く机の上からハサミを持ち
コスモスの茎を切り、余分な葉を取り除く。

手際がいい。

花瓶にまた収まった花は
生き生きしていて
綺麗に生まれ変わったように飾られていた。

ちょっと切っただけなのに
とっても綺麗。

「飾り方悪い」
低くつぶやかれた。

「すごく素敵。とっても綺麗。花が生き返ったみたい。ありがとう菅原君」
あんなに怖い菅原君と話をしている私
そこが一番信じられない。

私の声に振り向きもせず
自分の席に戻り
友達と会話している。

初めて会話した菅原君。

これも日記に書こう。

菅原君

いい匂いした。