ポケットには妖精

「春菜っち!元気だったぁ?」

あまりの驚きに声も出ない。
身体中が崩れ
イスにつかまりながらクミンを見る。

クミンだ
紫のサリーを着た
邪悪な妖精がストラップになりスマホと繋がってる。

「くっ……く……くっクミン」
いきなりのクミン登場に頭がぶっ飛ぶ。

「春菜っち。あいかわらずトロいー。ウケるー」
この口の悪さは
間違いなくクミンだ!

「ねえ、あれって菅原君?スゲーいい男になってるー。あんた達まだ付き合ってるの?信じられない。あんないい男が春菜っちと付き合ってるなんてー」

絶対クミンだ。
このままゴミ箱に捨てたい。

「結婚しました」
嫌みのように報告し
薬指の指輪を見せる。

「マジ?ありえなーい。そんでさ有南さんはドシター?」

「有南さんは卒業と同時に、増田先生と結婚しました」

「ワタシの言ったとーりジャン。増田は生徒と付き合ってるって言ったでショウ」
威張ってる威張ってる。小さい胸を前に出して威張ってる。

でもあれには驚いた。

まさか
有南さんと増田先生がね

今はもう2人の子持ちで幸せに暮らしてます。

じゃなくて

「また日本に来たの?」
クミンに詰め寄り聞くと

クミンは「ヒマなんだもん」と笑ってる。

邪悪な笑いだ。