ポケットには妖精


そんな事もあり
昨日から元気がない菅原君。

菅原君と付き合って、嫌な思いをしているというのは、菅原君の耳にも入っていたらしいけど、その現場を見た事がないし、私も彼には何も言わなかったし、ただの噂だと思ってたようだ。それに、自分が守れば大丈夫と自信があったようだけど、実際見たのは初めてで、かなりショックを受けていた。

「あんなにひどいと思ってなかった」
愛しそうに私を抱き直し、苦しそうな声を出す。

大切にされてるね私。
じーんときちゃうよ。

「学校でも俺が傍にいるから」
唇を寄せるので恥ずかしくて下を向く。

学校でそんな事
大胆すぎる菅原君。心臓ドキドキしてきたよ。

キスを避けると
笑って菅原君は私の頭をくしゃっと撫でた。

2人きりの時
菅原君はたくさん魅力的な笑顔を見せてくれる。

「いい加減慣れろ」

「学校じゃダメ」

「学校外ならいいの?」
慣れた感じで言うのが憎い。

「……時と場による」
真剣に言うとまた笑う。

この一ヶ月
色んな顔が見えてきた。

優しくて思いやりがあって
でも子供っぽい面もあって
たまにスネたりするけど
最後には優しく理解して包んでくれる。

まだキスだけの関係。

やっと
重なるキスから
深いキスに進んだ関係。

『無理やりは嫌だ。春菜が納得して安心できるように、ゆっくり進む。大切に進む。でも……手は出すから。春菜の初めては俺がもらう』

昨日宣言されて
私は
小さく小さくうなずいた。