どこにもいない。

寝相が悪いから
ベッドの下に落ちてるかも……と、小さな希望を込めてベッドの下を覗くけど、どこにもいなかった。

しっかりお別れしたのに
あきらめが悪い私。

シルバニアハウスに近寄り
小さなベッドを手にして寂しく思う。

じんわりと涙が浮かぶ。

ううん。
泣いてなんていられない。

クミンと約束したんだもん。
自分で頑張るって。

もうクミンはいない。
誰も助けてくれないよ。

「よしっ!」
何かを振り切るように声を出し、菅原君のお弁当を作る為、階段を降りて台所へと向かう。