買い物袋を抱えて家に帰り
平日というのに豪華な夕食を作り
ちょっと不思議そうにしている家族を気にもせず、クミンは私の身体で食べまくる。
「お姉ちゃん。また菅原さんと一緒にいたでしょう。ねぇどこで会ってるの?」
強い口調で早紀が聞くけど
「関係ないでしょ」
クミンはめんどくさそうに言い、テレビのバラエティを真剣に見ていた。
もうインドに帰ったら嵐も見れないからね。
松潤を目に焼き付けているのだろう。
「だって知りたいんだもん。あんな素敵な人がお姉ちゃんの彼氏だなんて、信じられない」
ブツブツ言いながら箸を動かすと
「菅原君ってどんな顔だったかな、イケメン?」
お母さんがノッてきた。
「もうすんごいイケメン。超カッコいい。硬派で近寄りがたいけど、顔が綺麗で友達が多くて人気があって、私達の憧れの先輩」
熱く語る妹。
代わりに説明をありがとう。
ポケットの中で感心するお母さんの顔を見る。
イケメン大好きなお母さん。
きっと好きな顔だと思うよ。
お父さんが「すごいね春菜」って目を丸くすると「でしょう」と、関係ないのに早紀が大きな声で返事して、またこちらへ突進。
「だから不思議なの。あんなイケメンどうやってゲットしたのよ!」
鼻息も荒く詰め寄る妹。
可愛い顔が台無しよ。
ポケットからクミンを見上げると、クミンはふとテレビから顔を離し、早紀の方に向かって
「たしかに……キスは上手いかも」
そう告げると
一瞬にして食卓に真冬のような冷たい沈黙が広がった。



