ポケットには妖精

菅原君に抱かれてる
菅原君の唇を感じている。

唇が離れてから
菅原君の大きな身体が、私を強く抱きしめる。

「自信なかった」
緊張が解けたような
少し笑ったような声が耳元で甘く響いた。

「春菜みたいなタイプは初めてで、手を繋ぎたくても、キスしたくても、拒否されるのが怖くて何もできなかった」

私の気分はまだ夢の中。
高い熱が出た後のようにカーッとしてドキドキして、クラクラしている。

「俺、本当はそんな好かれてないかも、俺のことが怖くて、断りきれなくて付き合ってんじゃないかって思ったり」

のどがカラカラで返事もできない状態だけど、その言葉には思いきり首を横に振って全力否定。

「だから『大好き』言われて嬉しかった」
菅原君の吐息が首筋にかかり、力が抜けて膝から崩れ落ちそう。

「もう一度呼んで」
甘い声が耳元でささやく。

「俺の名前、もう一度呼んで」

もう……膝どころか
身体中溶けてドロドロ。スライム状態。

歩いて帰れるだろうか。

「……拓真……くん」

「『くん』はいらない」

甘噛み。
みっ耳を……耳を甘噛みされた。

初めての経験。