クミンは急に足元にカバンを置き
黙って扉の前で動かない。

菅原君が不思議そうに「春菜」って私の名前を呼び、そばによると

クミンは
私の身体でクルリと菅原君に振り返り

その胸に飛び込んだ。

ちょっとー!!
ちょっと!冗談じゃない

あぁ
ちょっとなんて
何てことしてるのよ。

やめて
やめなさいクミン!
離れなさいっ!

「拓真」

呼び捨て?
クミンは甘い声で菅原君の名前を呼んだ。

「大好き」

胸ポケットの中で貧血を起こしそう

いや
いっそ気を失った方がましかもしれない。