ポケットには妖精

早紀の怒涛の攻撃をかわし、自分の部屋に戻ってクミンを机の上に置く。

もう泣き止んではいたけれど
実に情けない顔で私を見上げる。

「話できる?」
ゆっくりと優しく聞くと
クミンは頭を縦に振る。

「どうしたの?」

「ワタシが映画に出てたの」

ん?

「今日、春菜と一緒にみた映画、クミンが出てた」
今日のドキュメント映画に?

「テントがいっぱい並んでいて、お店がいっぱいあって、そこでワタシはナカマと遊んでるの。ワタシの店の中にいるおじさんは、人間にみえるけど、ワタシ達を世話してる神様のエライ人で、ワタシ達がどこかに行きたくなったら、観光客にワタシ達を売って、ワタシ達、世界中をあちこち行くの」

ボロボロのテントの物売りの中に、クミン達がいっぱいいて、それを仕切る売り子のおじさんが神様?
納得できない顔つきの私に

「神様エライの。その気になれば地球絶滅デキる」
必死に言われた。

いや
それは
しちゃダメよ。

「ワタシだって神様ダモン」

いたずらばかりの神様だけどね。

私がまだ「うーん」って困っていると

「クミンだってエライんだもん。インドカレー作れるもん」

大泣きが始まった。

ってカレー作れるの?
食べてばっかりだったでしょう。

あぁ困ったなぁ。