ポケットには妖精

「妹?」

「うん。ひとつ下」

「春菜に似て可愛いね」

「菅原君に髪切ってもらいたいんだって」

「俺でいいの?春菜がいいならいいよ。今は春菜専用だから」

そんな私達の会話を
ワケわかんないって顔で見ている早紀。
驚いたその表情
カメラに収めたい。

「あ、ゴメン……誰だろ」
菅原君のポケットから音が鳴る

「吉田?うん。俺抜きでいいだろ……今、彼女の家の前。帰るけど……わかった。行く」
最後の方はあきらめたような声だった。

吉田君からお誘いだな。

「行くわ」
菅原君は優しい顔でそう言い、私の髪をくしゃっと撫でると、早紀の目がまた驚いて大きく開く。

「明日バイト頑張ってね」

「風邪直せよ」

「送ってくれてありがとう」

「電話する」

あぁなんか
彼氏と彼女の会話してる。
嬉しいような恥ずかしいような。

菅原君は笑顔を見せてから、行ってしまった。
菅原君の笑顔大好き。

初めて堂々と一緒に帰ったその後で

早紀の激しいツッコミが待っていた。