お付き合いを始めた。

と、言っても
日常的には、あまり何も変わらない。

一緒に帰るわけでもなく。
私はカメラを持って部活に行ったり、部活のない時は由実ちゃんと帰ったり。

菅原君は人気者だから【シザー】とつるんで遊んだり、親友である隣のクラスの相川君と過ごしたり。
教室では移動教室の時など、菅原君はわざと距離を近寄せ接近し、私が真っ赤になって恥ずかしがっていると、友達が私の手を引き菅原君から離す。私が怖がって動けなくなってると思っての行動らしい。

メールとか電話は毎日。

内容はないけど
ただ繋がっているだけで、嬉しくてたまらない。
ネット社会万歳。

前に隠し撮りして、菅原君がカットの練習をしている店舗が移転の為、しばらく閉店する事になった。
しばらくの間その店は従業員さん達の勉強の為の練習場となり、月・木が夜の8時からしか従業員さんが使わないので、菅原君は通い、ついでに私も部活終わりにそちらにお邪魔して菅原君と過ごす。

菅原君がカットの練習や
自分のハサミの手入れをしている間
私はただ傍にいて
宿題をしたり、本を読んだり、会話をしたり

近くにいるだけで
幸せだった。

有南さんに言わせると
中学生以下のお付き合いらしい。

でも私は
とっても幸せで満たされていた。