アドレス交換しちゃった。

今日一日の事を思い出すと
ドキドキニマニマして
顔が溶けてしまいそう。

クミンは夕食をいっぱい食べて
気持ちよくシルバニアのベッドで寝ていた。

昼休みの隣のクラスの修羅場告白大会は、思った通りクミンの仕業で、私のポケットに戻って来たのは午後イチの数学の時間である。

「お昼どーだったぁ?」
のん気に私に聞くクミン。

「どーだったって、どこに行ってたのよ。隣のクラスの大騒ぎもクミンがやったの?」
声を落してクミンを詰め寄ると

「だーって、好きでもない人と付き合ってるヤツが多すぎるんだモン。本音がほしーでしょー」
開き直って言うセリフじゃないでしょう。
大混乱だったんだから。

「そんでどーなったのよ」

「あとから教える」

「そのだらしない顔。アンタ告った?」
テンション高いわー。

「あとから」
こちらを見る先生を気にしながら、私はクミンに言い、クミンは舌打ちしてまた消えてしまった。

学校のどこかで
叫び声が聞こえた気がする。

ごめんなさいって心で詫びる私。
本当に心の中で謝ってますから。
うちのインドの妖精がお騒がせしてすいません。

クミンは私の写真部の活動が終わって、校門を出た頃「今日のご飯はナニ?」ってポケットに戻って来た。

『なんてこった』
『オリンピックも夢じゃない』

陸上部の田中君が
幅跳びで世界記録を出したらしい……。
ごめん田中君。
白昼夢だと思ってね。
夢に向かってまた頑張ろう。