扉の外の廊下から
にぎやかな声が聞こえる。

「せんせいー」

「増田先生ー!」

女子生徒に声をかけられ
アイツは「なんだ?」と普通に声を出す。

さっきまで
生徒とキスしてた唇で
他の女子に応えてる。

「職員会議始まるってー。宮下先生が探してたよー」

そうか会議なのか。

アイツは生徒に礼を言い
廊下を走って去って行く。

こら
教師が廊下を走るなよ。


同じクラスになれて嬉しいよ。先生。

進路希望用紙が回ってきたら

【お嫁さん】って書いて提出していいかな。

大きく伸びをして
また窓辺に行き、視線を下げると

丁度いい感じで
拓真が生徒玄関前で友達と立ち話をしている。

そこから離れて
城田はカメラを花壇の花に向けている。

ほら
拓真、すぐそこに居るんだよ。

手が届くところに、城田がいるんだよ。

身動きとれないんでしょう、いとこ殿。

さてさて

どうやって
ふたりをくっつけようか。

時間をかけて
頑張ってみようかな。