ポケットには妖精


いつものように
カーテンを開け電気ポットに水を入れ
炊き上がったご飯をかき混ぜる。

「アンタ主婦?」
忙しそうに昨夜の食器を片づける私に、クミンは不思議そうな顔で聞く。

無視しよう
朝は忙しい。

お弁当箱を4つ用意。
量があるから時間もかかる。

「なんでー?なんで4つ。アンタ4つも食べるの?」
ポケットの中でバタバタしてる
うるさいけど
答えないともっとうるさいだろう。

「自分とお父さんと妹と、妹の彼氏の分」
普通に返事。

「母はいないの?」

「母は低血圧で朝は遅いの」

「妹は?」

「妹は料理が苦手なの」

「なんでー?なんで妹の彼氏の分?」

もう
うるさいなぁ。

「妹は料理上手って話になってるの。だから自分で作ると嘘がバレるから私が作るの」

「それって変!」

それはそうなんだけど……。

「ついでだからいいの」

「でも変だ!」
強い口調で言うクミン。
気弱な私は見習わないと……でも、うんクミンの言う通りだけれど、私はお弁当を作るのが好きで、妹の彼だけど『おいしい』って男の人が食べてくれたら、けっこう幸せ感じるの。

「アンタが言うなら……いいけど……」
私の心の声を読み
ブツブツ文句をいうクミン。

何か
可愛いなクミン。

「おねーちゃん」
寝ぐせを気にしながら
妹がパジャマ姿で近寄って来る。