ポケットには妖精


そこにある景色は

ごく普通の景色。

校門から出ていく生徒達
奥を覗くとランニングする陸上部。
叫ぶ野球部、泥だらけのサッカー部。

あとは?

あぁ
目線をずーっと下げると
同じクラスになった城田春菜が、花壇に水をやっていた。

用務のおじさんか?

あの子
写真部だよね。
違ったっけ?

学校祭でポストカード売ってたじゃん。
部員が写した写真で作ってたやつ
そうだよ
拓真に頼まれて
一枚買ったんだよ私。

青い空に
すーっと一筋のひこうき雲が流れている
素敵なポストカードだった……って、もしかして。

「城田を見てた?」
目を見開いて拓真を見ると

こいつ
否定しない。
目を泳がせ、唇をかんでいる。

おもしれー。

「声かけようか『しーろーた……』」

「マジやめろバカ!」

今までに見た事のない真剣な顔で、私の身体を思いきり窓から引っ張り窓を閉めた。

これって
そうなのぉ?